
海賊対策を理由に海上保安庁が追加建造を目論んでいるしきしま級巡視船に関する私見です。画像は海上保安庁の平成22年度概算要求より。
しきしま級とは言うものの、小改良が加えられるようで、武装の35mm連装が40mm単装に変更されるようです。これはあそ型、ひだ型巡視船でも採用されている装備ですが、運用コストが高い(3P弾を使用するボフォースの機関砲なので、弾代などが高いと思われる)という理由で、現在続々と就役中のはてるま型では採用されていない。はてるま型は30mm機関砲(おそらくはブッシュマスターMk44 詳細は
こちら)を採用しています。
また、要求のCGを見る限りOPS-14も搭載されないようです。
海上保安庁については、それほど詳しくウォッチしているわけではないですが、海自に比べて予算がかなり厳しいらしいことは知っています。
その中で、ソマリア沖に海自がすでに派遣されているのに、その海賊対策を理由に建造予算320億円を使うというのはいかがなものか?と思うわけである。
海自と違って、海保は1隻の価格が明らかでない場合がほとんどなので、平成17年度概算要求(あそ型2隻、ひだ型3隻、はてるま型1隻、20m型2隻)でみると、8隻まとめて約110億2千万円となっている。それに対してしきしまの1隻80億円(注:4年分割。通常の巡視船が何年で分割なのかは知らないですが)は高価過ぎないだろうか?
この際、海上治安問題であっても200カイリの外なら海自の管轄。というくらいの線引きが必要ではないだろうか?確かに、護衛艦の航続距離はそれほど長くない(だから欧州から日本に無寄港で航行できるしきしまがわざわざ作られた。もっとも、護衛艦も補給艦を伴うなら可能かもしれない)ので、しきしまのような船が必要な場面はあるかもしれません。しかし、それをわざわざ少ない予算の中から捻出する必要があるのでしょうか?特に海賊対策では継続的に遠方に展開するわけですから、何も長い足が必須であるわけではなく、現地に拠点を設けるなり、補給艦を連れて行くなりすればいいだけの話です。
そんなことするぐらいなら2000トン級や1000トン級を建造したり、老朽化した巡視船の更新に予算を回すほうが先だと私は思うわけですが。
尖閣諸島警備を理由にあげる向きもありますが、それならそれに合わせた設計に改めるべきであって、何もしきしまの武装を手直ししただけの船にする必要は無いでしょう。
海上保安庁の任務のあり方も含めて、検討が必要なんじゃないでしょうか?
余談:わりと酔った勢いで書いてるので、あとで読み直して手直しするかも。